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税務・会計
2023.09.14

経費になる税金・ならない税金の違い

税金には、たくさんの種類があり、事業を行う中でも支払いが発生するものがあります。しかし、その税金が経費になるのか、ならないのか曖昧になってしまうことが多いのではないでしょうか。

そこで今回は税金のうち、経費になる税金とならない税金についてご紹介します。

 

【経費にならないという意味について】

会計上での費用を「経費」、税法上での費用を「損金」と呼びます。

事業を行ううえで、ある支出が会計上では費用として扱われますが、税法上では費用として認められない場合があります。

このような違いができる理由として、会計上での目的は、会社と利害関係者のために経営や財政状態を報告するために計算することに対して、税法上の目的は正しい税額を計算するために計算するためです。

 会計上で費用としても税法上で費用とならない場合、会計上のルールに従って計算した支払う税金より法人税法上で計算した支払う税金の方が多くなります。

今回は皆さんに馴染みやすくお伝えするために「経費」を「損金」という言葉に置き換えて説明します。

 

〇損金になる税金

事業税、消費税、固定資産税、自動車税、不動産取得税、登録免許税、印紙税

 

〇損金にならない税金

  • 所得税及び復興特別所得税、住民税、法人税

経費にならない理由について、2種類の仮説から考えます。

〇費用説:

利益獲得のために回避できない特別な費用と考えます。

法人も自然人と同様に独立の企業実体を有しており、その経済活動の結果として所得が生じること、法人も国や行政のサービスを受けるのでその対価として税を払う必要があります。そのため、法人税は経費になると考えます。

〇利益処分説:

期間利益が計算された後の特別な利益処分項目と考えます。

法人は、個人が利益追求のために利用する手段であるので、法人が獲得した利益は、最終的に株主に帰属し、株主は所得税が課せられます。この場合、法人税は株主が収める所得税の前撮りと捉えられるため、利益処分項目と言えます。

つまり、利益を得た時点では税務上の対象とされず、利益の配当や、株主への還元などの形で処分する際に税務上の取り扱いが行われるべきという考え方になります。

 

また、法人税を損金算入した場合、損失と利益が相殺され、課税所得が減少します。この課税所得に基づいて再び法人税が計算されると、所得の減少が反映されるため、さらに損失が相殺されることになります。

そのため、法人税を損金不算入することで利益を得た時点で税金を計算し、利益の処分による再課税を回避させることができます。

 

以上により、所得税及び復興特別所得税、住民税、法人税は損金に認められていません。

 

  • 延滞税、加算税、延滞金

ペナルティ的な意味合いの税金のため、損金計上は認められていません。

 

事業を行っている時に、税金を経費にできるかの判断は、種類が多く難しいため会計事務所へぜひご相談ください。

 

 

大阪の税理士 杉本会計事務所
大阪市東住吉区杭全3-4-4

業務部法人第三課 監査担当 藤田 真吾

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