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税務・会計
2024.07.18

中小企業投資促進税制について

 皆様、中小企業投資促進税制はご存知でしょうか。

中小企業が一定の機械等を取得したケースなど、設備投資が多額となったときに特別償却又は税額控除の適用を受けることができる優遇措置です。

中小企業にとっては設備投資をすることで税制上の恩恵を受けることができ、会社の成長段階においてメリットの多いこれらの特例は、時代の流れに沿って微調整を加えられながら、定期的に適用期限が延長されています。

令和5年度の税制改正で中小企業投資促進税制の適用期限が令和6年度末まで延長された際に、注目すべき調整が加えられました。それが「コインランドリー業」はこれらの税制の対象から除外するというものです。

 

 では何故、コインランドリー業が税制から除外されるに至ったのか…いわゆるコインランドリー投資節税に対する対策です。

コインラインドリーの場合、高額な業務用の洗濯機や乾燥機などを含め、内装にかかる設備費用などのほとんどを即時償却として計上することが可能になります。これらが富裕層や多額の利益を出している法人の「節税商品」としてパッケージ化され販売されおり、優遇税制の趣旨に反するとして除外されました。

 

しかし、国税庁はこのほど「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明を公表し、令和5年度税制改正において中小企業投資促進税制の対象から除外されたコインランドリー業の対象から除外されないこととされた「中小企業者等の主要な事業に該当するもの」について例示しています。

趣旨説明において「多額の利益を出している法人が、余剰資金を使って設備投資だけを行い、他の運営会社に管理を全て任せ、初年度に本制度を利用して多額の損金を作出することにより課税所得を圧縮することが可能となっていたことを背景として行われたもの」と改正理由を説明しました。

そのうえで、中小企業者等が経営資源を有効活用して行う場合にまで適用できないとするのは本末転倒であるから、中小企業者等が行っているコインランドリー業が主要な事業に該当する場合のその事業用に供する資産は対象から除外せず、税制の対象となります。

 

主な事業とは、1)継続的に中小企業者等の経営資源(事業の用に供される不動産、事業に関する従業者の有する技能又は知識(租税に関するものを除く)その他これらに準ずるもの)を活用して行い、又は行うことが見込まれる事業 、2)中小企業者等が行う主要な事業に付随して行う事業、の2類型です。

具体例を挙げ、1)について、近年ではカフェスペースにコインランドリーが併設され、飲食とクリーニングに係るサービスを同時に提供するようなケースが増えているほか、自社所有の土地の空きスペースにコインランドリーを設置して一般に開放するなど、法人の遊休資産を有効活用するケースを紹介。前者であれば、カフェスペースで従事する従業員がその接客等の技能をコインランドリー業でも活用しており、後者であれば、法人の事業の用に供される土地を活用してコインランドリー業を営んでいることとなり1)が当てはまります。2)は銭湯利用客が銭湯を利用している間に洗濯できるようにするなど、一体となってサービスを提供しているものであり、主要な事業に付随して行われいると判断されるパターンです。 

 

このように税制は改正後に通達により細かな調整が随時行われております。

これから行う事業や税金対策が各税制にどのように該当するのか判断に迷われる時も多数あるかと思います。そんな時は是非、我々、税理士法人 悠久 杉本会計事務所にご依頼ください。

 

 

 

大阪の税理士 杉本会計事務所

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法人第3課 森本

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