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税務・会計
2024.08.22

定額減税 月次減税事務のミス判明時の対応

 定額減税の月次減税事務が6月からスタートしました。今回はこの定額減税における月次減税事務について、従業員の給与等から徴収した源泉所得税を税務署に納付した後に、減税額の計算に係る扶養親族等の人数、月次減税事務の対象となる給与等や対象者の誤りに気付いた際の対応についてお話したいと思います。

 

  • 定額減税を過大適用⇒源泉所得税を過少に納付しているケース

 

本来納付すべき源泉所得税よりも過少に納付していることになるため、追加納付が必要になります。

 例えば、基準日在職者に該当しない者に月次減税事務を実施した場合や、扶養親族等(減税対象者と生計一の合計所得金額が48万円以下の「同一生計配偶者」、16歳未満を含めた「扶養親族」)に該当しない者を減税額の計算に含めている場合などでは、本来より過大に減税した状態となります。この場合、本来納付すべき源泉所得税額より過少な金額を税務署に納付していることになるため、その不足額を追加で納付することになります。

 

  • 定額減税を過少適用⇒源泉所得税を過大に納付してしまっているケース

 

先程とは反対に、基準日在職者に該当する者に月次減税事務を実施していない場合や、扶養親族等に該当する者を減税額の計算に含めていない場合などでは、本来より過少に減税した状態となります。そのため、本来納付すべき源泉所得税額より過大な金額を税務署に納付していることになります。

この場合、「源泉所得税及び復興特別所得税の誤納額の還付請求」や「源泉所得税及び復興特別所得税の誤納額の充当届出」の手続をとることにより、その過大分の源泉徴収税額の還付を受けることができます。

 

 

 実務上はミスが発覚しても年末調整で年間の所得税額との清算を行えばよいと考える向きもありますが、そのままでは法令上、誤った源泉徴収税額を税務署に納付していることになるため、これらの対応が必要になります。ただ、現場レベルで見ると、定額減税の対応に十分な時間を確保できない事業者様も多く、理解が十分でない中で、上記のような修正の対応についてまで手が回るかというと現実的に難しいのではないかと不安視しております。

 ご不明点や気になることがあれば、些細なことでも構いませんのでお気軽にご相談ください。

 

※基準日在職者に該当しないもの

・令和661日以後支払う給与等の源泉徴収において源泉徴収税額表の乙欄や丙欄が適用されるもの(扶養控除等申告書を提出していない者)

・令和6年6月2日以後に給与の支払者のもとで勤務することとなった者

・令和6年5月31日以前に給与の支払者のもとを退職した者

・令和6531日以前に出国して非居住者となった者

 

大阪の税理士 杉本会計事務所
大阪市東住吉区杭全3-4-4

企業第二課 監査担当 大西純平

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