インボイス制度開始後の振り返り
令和5年10月よりインボイス制度が開始されてから1年が経過しました。これまでよりも事務手続きや会計入力が複雑になる中、制度の仕組みは理解できても、実際にはどのように対応すれば良いか迷うことが、今後もあるかもしれません。
今回は、インボイス制度開始後の実際の会計入力や、制度の内容について振り返ってご紹介します。
①消費税の入力
仕入税額控除の適用を受けるために、原則として取引相手から交付を受けたインボイスの保存等が必要となります。
それに伴い、支払の入力時には税区分は以下のとおり4種類の区分に分けられます。
〇インボイス登録番号の記載がある場合
①10%もしくは②軽減税率8%
〇インボイス登録番号の記載がない場合
③10%もしくは④軽減税率8%
一方、インボイスの保存がなくても(インボイスの登録番号が未記載の場合でも)
仕入額控除ができる取引がございます。下記URLよりご参考くださいませ。
〇少額特例(税込み1万円未満)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/202304/02.htm
〇その他帳簿のみでの保存で仕入税額控除が認められる場合
・3万円未満の公共交通機関による旅客の運送
・3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商 品の購入等
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/01-13.pdf
②売上入金時に負担する手数料の入力
「支払手数料」で入力されていた場合、「売上割引」を選択してご入力いただきますと、インボイスに関する事務手続きが軽減されます。
変更理由:
売手が負担する振込手数料を課税仕入れ(今回の場合、支払手数料)として処理する場合には、
金融機関や取引先から受領するインボイスが必要となります。
一方、1万円未満の値引き等の売上に係る対価の返還などを行った場合、返還インボイスの交付義務が免除されます。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/202304/03.htm
③支払い先のインボイス番号の登録
現在ご利用されている会計ソフトで、買掛金に登録されている支払い先のインボイス番号を登録できる場合、事前に登録を行います。
以上がインボイス制度開始後の主な変更内容となります。
インボイス制度開始後は、これまでより事務手続きや会計入力が複雑になるため、迷った際には是非税理士事務所へご相談くださいませ。