A Iを活用 最近の税務調査事情
国税庁は、データ分析等により選定した事業者に対して税務調査(以下、調査)を行っています。 最近の調査事情を「国税庁レポート2024」を中心に紹介します。
データ活用の強化
国税庁は、様々なデータを用いて申告漏れの可能性が高い納税者等を判定する予測モデルと、国税組織が保有する資料や情報等を組み合わせ、課税事務の効率化等に努めています。令和 5 年度の所得税の調査では、選定にAIを活用するなど効率化を図り、申告漏れ所得金額の総額及び追徴税額の総額は、過去最高の結果となりました。
そこで、現在の調査において重点的に取り組んでいる事項として、次の3つを紹介します。
(1)消費税の不正還付の防止
虚偽の申告による不正還付の防止のため、十分な審査と調査を実施しています。
事例:
・高額な固定資産の購入を装い、架空の課税仕入れを計上していた事実を把握
・輸出販売業を装い、架空の免税売上げと課税仕入れを計上していた事実を把握
(2)無申告への対応資料や情報などから把握し、積極的に調査を実施。
事例:
・多額の利益を認識していたにもかかわらず、申告をしなかった事実を把握
(インフルエンサー、ペットオークション等)
・申告をすると納税額が発生してしまうので、新たに口座を開設し、売上をその預金口座に振り込ませることで取引を隠蔽し、納税を免れていた事実を把握
(3)新分野の経済活動への対応
デジタルコンテンツ、ネット通販、ネット広告、シェアリングビジネス・サービス等、新分野の経済活動に係る取引や、暗号資産等の取引について、情報収集・分析の充実に努め、課税上問題があると見込まれる納税者を適切に把握し、調査などの対応をしています。
今後もよりAIを活用した税務調査が増えると思われます。申告について困ったことがありましたら弊社までご相談くださいませ。