青色申告はこんなにもメリットがある
個人事業主の確定申告の申告区分で「青色申告」と「白色申告」がありますが、どんな違いがあるのか、ご存知でしょうか?
「青色申告」とは、1年間の所得について、一定水準の記帳をし、その記帳に基づいて正しい申告をする所得金額の計算などについて有利な取扱いが受けられる申告の制度です。有利な取り扱いとは、主に①青色申告特別控除②青色事業専従者給与③純損失の繰り越しと繰り戻しなどがあります。
①青色申告特別控除とは、所得に係る取引を正規の簿記の原則、(一般的には複式簿記)により記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付して法定申告期限内に提出している場合には、原則としてこれらの所得を通じて最高55万円を控除することとされています。これに加えて、電子帳簿保存又はe-Taxによる電子申告を行っている場合は、65万円の青色申告特別控除が受けられます。
②青色事業専従者給与とは、青色申告者と生計を一にしている配偶者やその他の親族のうち、年齢が15歳以上で、その青色申告者の事業に専ら従事している人に支払った給与は、事前に提出された届出書に記載された金額の範囲内で専従者の労務の対価として適正な金額であれば、必要経費に算入することができます。なお、青色事業専従者として給与の支払を受ける人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません。
③純損失の繰り越しと繰り戻し
事業所得などに損失(赤字)の金額がある場合で、損益通算の規定を適用してもなお控除しきれない部分の金額(純損失の金額)が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除します。
また、前年も青色申告をしている場合は、純損失の繰越しに代えて、その損失額を生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることもできます。
上記3点、要約すると①支出なしで費用が最大65万円控除できる、②同一生計の親族等に対しての給与が経費として認められる、③赤字があれば翌3年間は黒字と相殺できる、となります。
「白色申告」は青色申告以外、というものになります。青色申告を受けるためには、要件を満たした上で期限内に「青色申告承認申請書」を所轄の税務署長に提出するのみです。要件については国税局HP(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm)に記載がありますので、白色申告の方で青色申告を検討される場合はご確認ください。
大阪市東住吉区杭全3-4-4
税理士法人悠久杉本会計事務所
業務部第二課 谷崎 史枝